親子の老後編集部

高齢者の食欲不振とその対策。高齢者が喜ぶレシピもご紹介。

食事

2017.11.22

食べることは健康の基本です。高齢になっても、おいしいものをたくさん食べて、元気な毎日をおくりたいものですよね。 でも、実際には、年をとると食欲まで落ちてしまって、健康状態にも影響を与えることが少なくありません。

なぜ、高齢になると食欲不振になるのでしょうか。
今回は、高齢者の食欲不振とその対策を、高齢者が喜ぶレシピ付きでご紹介します。

高齢者が食欲不振になる原因

加齢に伴って食欲が低下するのにはいくつかの原因があります。

体力や運動量の低下
若いときに比べると、高齢者は動作もゆっくりになり、動き回る範囲も時間も少なくなっていきます。体全体の筋肉量が低下し、運動量も減るので、1日に必要とするカロリーも少なくなります。食事から摂るべきカロリーが減少するので、それに従って食欲も低下していくのです。

味覚・嗅覚・視覚の衰え
年を取るにつれて、味覚・嗅覚・視覚といった機能も徐々に衰えていきます。食事の味や彩り、香りがぼんやりしてくると、食事そのものが楽しめなくなります。それが食欲不振につながってしまうのです。

味覚の低下には、加齢に伴うもののほかに、服用している薬が影響することがあります。また、栄養素の中でも亜鉛が不足すると味覚が低下することが知られています。

高齢者の食欲不振には、「食べない」と「食べれない」がある

一口に「食欲不振」と言っても、高齢者の食欲不振には「食べない」ケースと「食べれない」ケースとがあります。一見同じように見える食欲不振ですが、「食べない」ケースと「食べれない」ケースでは、原因も異なりますし、それに対する対処法も違ってきます。

高齢者が食欲不振になったときには、どちらのケースなのかをしっかり見極めて対処することが大切です。

「食べない」場合とはどのような状態か

「食べない」ケースとは、口腔や消化器官などの体の機能には問題がないのに、年をとることに伴う心因的な原因などで食欲が落ちる場合を言います。

気持ちの落ち込みによる食欲不振
年をとり、行動範囲が狭くなってくると、人と交わることも少なくなり、刺激を受けることも減ります。人と楽しい時間をすごしたり、笑うことが少なくなると、精神的な張り合いがなくなり、食欲も低下してしまいます。

特に、一人暮らしをしている場合は、食事に対する張り合いもなくなり、食事の準備をするのも億劫になるので、簡単なもので済ませているうちに食事に対する意欲が低下してしまいがちです。

また、家族や親しい人を亡くすことから生きることに対する意欲が低下し、うつ状態に陥ることもあります。

排泄への不安による食欲不振
年をとると排泄機能も衰えていきます。排泄で失敗したくないと思ったり、トイレに行く回数を減らそうとして、食べたり飲んだりすることを控えるようになることもあります。

認知症による食欲不振
認知症とは、加齢に伴って脳の機能が低下していく病気です。食べることに関わる脳の部分が損なわれていくと、「食べたい」という意欲そのものを感じられなくなります。

認知症が進行すると、目の前にあるものが食べ物だということも忘れてしまうようになります。 認知症が進んだ場合には、医師に相談して適切な処置を取るようにしましょう。

「食べない」場合の対処法

「食べない」ケースでは、高齢者の気持ちに配慮しながら、食欲を上げていく工夫が必要となります。

食欲を増進するメニューを工夫する
健康のためには好き嫌いなく食事を摂るのが望ましいと思いがちですが、食事が楽しみになるよう、お年寄りの好きなものを中心にメニューを組み立てましょう。

食事では見た目の彩りも大切です。食事の見た目も食欲をそそるものになるよう、色や盛り付けを工夫しましょう。温かいものは温かく、冷たいものは冷たい状態で出すことにも気をつけましょう。

梅干しや柑橘類などの酸っぱいものは、唾液の分泌を促して食欲をアップさせます。香辛料も上手に利用して、食事の楽しみを増やしましょう。

少ない食事量でも十分な栄養が取れるように配慮する
年をとると必要となるカロリーも低下するので、食事の量が若いときに比べて少なくなるのはしかたのないことです。 お年寄りが無理なく食べきれる量の食事でも1日に必要な栄養やカロリーが摂れるように、食事の内容を工夫しましょう。

お年寄りだからとあっさりしたものだけで済まさず、タンパク質やカルシウムなどのミネラルが豊富に含まれたメニューを用意して、少ない食事量でも栄養が摂れるように配慮しましょう。

食事の場を楽しくする
一人暮らしの食事や、夫婦二人だけでの食事はどうしても味気なくなってしまいがちです。 地域でみんなで食事をするようなお年寄りのための集まりやイベントがないか調べ、そのような場に参加するように勧めてみましょう。

デイサービスを利用してもいいでしょう。大勢で食べると気分も高まり、食欲もアップします。

また、お年寄りにとっては、自分の子どもや孫と食べる食事が何よりもおいしく感じられるものです。誕生日やお正月、敬老の日などのイベントを利用して楽しい食事をすることによって、食欲も上がり、生きる意欲にもつながります。

「食べたいけど食べれない」とはどのような状態か

「食べたいけど食べれない」とは、食べたいという気持ちはあるのに、身体的な機能低下などによって上手く食べることができない状態です。

その代表的なものは「摂食嚥下障害」で、喉の機能が低下して、食べたものを上手く飲み込めないことによって起こります。嚥下機能が低下すると、誤嚥性肺炎を引き起こし、場合によっては命に関わることもあるので早急に対処するようにしましょう。

また、病気などのために手足が思うように動かないために食べれないこともあります。 歯の状態が悪かったり、入れ歯が合わないときも、食べることが難しくなります。

「食べたいけど食べれない」場合の対処法

「食べたいけれど食べれない」ケースでは、まずはその原因となっている身体機能の低下に対処する必要があります。

嚥下機能が低下している場合には、医療機関を受診して、嚥下機能を高めるためのリハビリテーションを受けましょう。

手足の機能が低下している場合には、機能回復のためのリハビリテーションを受けると同時に、食事の際には適切な介助をして食べることを助け、体力の低下を防ぐようにしましょう。

おいしく食事をするためには、口腔内の健康を保つことが非常に大切です。虫歯や歯肉炎を防ぐために、歯磨きには気をつけましょう。また、入れ歯が合っているかどうかも定期的に確認し、清潔を保つようにしましょう。

高齢者が喜ぶレシピの工夫

食欲が低下している高齢者にも食べやすいレシピをご紹介します。

食材をプラスして栄養価アップ

食べる機能が衰えた高齢者は、お粥やうどんといった柔らかいものを好む傾向にあります。お粥やうどんを作るときに、サラダチキンや焼鮭を細かくほぐしたものを混ぜ込んでタンパク質をプラスしましょう。細かく刻んだ大葉や梅干しを加えると食欲をそそります。 卵焼きを作るときにも、細かく刻んだ野菜を混ぜると栄養価が上がります。

とろみをつけて食べやすく

野菜や魚を柔らかく煮たときは、最後に片栗粉でとろみをつけると食べやすくなります。かに玉や肉豆腐なども最後にとろみをつけるといいでしょう。

いつまでもおいしく食事をするために

年をとると食が細くなるのが自然なこととはいえ、いつまでも食事をおいしく食べて元気でいてほしいものです。 お年寄りの食欲が落ちてきたと思ったら、その原因がどこにあるのかをしっかりと見極めたうえで、適切な対応をするようにしましょう。

>>「高齢者に必要な栄養素は?高齢者向けの食事で気をつけたいポイント」はこちら

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