親子の老後編集部

要介護度・要支援度の目安と決まり方、介護認定ごとの給付額

健康・介護

2017.10.25

家事や身の回りのことが少しできなくなってきている。認知症が少し始まっているかも。
高齢の親の日常にそんな不安を抱き始めたりしたときにサポートを受けられる介護サービスや介護予防サービスを利用するにあたり、介護保険を適用するために必要なのが、要介護・要支援の認定です。

この記事では、その認定の決まり方、要介護度・要支援度それぞれの目安、介護認定ごとの給付額などをご説明します。

要介護・要支援の認定はなぜ必要か

介護や支援の必要度に応じて給付額が決まる
介護保険は高齢者になれば誰もが無制限に利用できるものではなく、必要度に応じて給付額が決まるため、要介護・要支援の認定が必要になってきます。この必要度の段階が、要介護では1~5の5段階、要支援では1・2の2段階あります。この判断基準は全国一律になるよう客観的に決められています。

状態の重さと介護や支援の必要性は一致しないこともある
ここでひとつお伝えしたいのは、状態の重さと介護度の重さは必ずしも同じではないことです。 寝たきりになっている高齢者は身体的には重い状態です。しかし、病状は進行していても実際の世話にかかる時間は限定的です。

いっぽう、身体的には元気でも徘徊や暴力などの問題行動がみられる場合は、徘徊行動や暴力に対応する時間、精神的負担はずっと多いものになります。そのため、認定として高くなるのは後者になるのです。

要介護度、要支援度はどのように決まるのか

客観的で公平なものになるようコンピューターによる一次判定と、保険・医療・福祉の学識経験者による二次判定の二段階となっています。

判定を受けるには、まず市区町村に申請をします。その後、市区町村の担当職員や委託を受けたケアマネジャーが自宅に訪問調査にやってきます。この訪問時の聴き取り結果がコンピューターによる一次判定の内容になります。

コンピューターによる一次判定
項目は74項目あり、ひとつひとつ聴き取りによって行われます。
内容は、高齢者の身体機能について、身支度や入浴、排せつなどの自立度について、薬やお金の管理や買い物などができるかについて、記憶保持力や問題行動、カテーテルなど医療措置の必要性についてなどです。この聴き取り結果をコンピューターシステムにかけ、介護に必要な時間が算出されます。

参考:http://www.daikanyama.co.jp/minato/situgosyou5/gazou/kaigo1.html

二次判定
一次判定の後、保険・医療・福祉の学識経験者らが「介護認定審査会」を開きます。そこでは一次判定の結果と高齢者である本人・その家族側から提出された主治医の意見書を合わせ、総合的に判断されます。これが二次判定です。

認定結果に納得できない場合
要介護認定の結果に疑問がある場合は、まずは認定を行った市区町村の窓口に相談し説明を受けます。それでも納得できない場合は、通知された日の翌日から数えて60日以内に都道府県にある「介護保険審査会」に不服を申し立てできます。

要支援度の目安

判定は、ADL(日常生活動作)とIADL(手段的日常生活動作)に着目し、行われます。 食事、排泄、身だしなみ、移動、入浴などのADLについて問題がなく介助が不要で、買い物や家事全般、服薬、支払い、趣味の活動などのIADLについて何らかの支障が出てきた場合は支援が必要と判断されます。

簡単にまとめると、食事や排せつには問題はないが、薬の自己管理や社会とのかかわりの中で支障が出てきたときには「要支援」ということになります。

要支援1
基本的な日常生活はほぼ自分で行える。要介護状態ではないが、買い物や家事全般などについてなんらかの支障がある可能性がある状態。

要支援2
要支援1より買い物や家事全般、支払い管理などについて問題なく行うことが少し難しくなっている、今できることを維持または改善のために何らかの支援が必要とされる状態。

要介護度の目安

要支援の状態からさらに進み、買い物や支払い、趣味の活動などのIADL(手段的日常生活動作)に支障が出るだけでなく、排泄や食事、入浴などのADL(日常生活動作)に際し、高齢者ひとりで自力で行うには見守りや手助けなどの介助が必要になった状態になったときには「要介護」ということになります。

要介護1
日常生活の買い物や家事全般などに見守りや手助けが必要、食事や排せつなどに何らかの介助が必要なときがあるなどの状態。

要介護2
要介護度1の状態に加えて、歩行や立ち上がりなどに部分的な支えや手助けが必要な状態。

要介護3
要介護度2の状態からさらにできないことが増え、立ち上がりや歩行が自力ではできなくなる、排泄や入浴、着替えなどもほぼ全面的な介助が必要な状態。

要介護4
要介護度3の状態からさらにできないことが増え、日常生活全般を介護なしに過ごすことが不可能になり、身体的には立ち上がりや歩行、両足での立位保持などが自分一人ではできない状態。日常生活全てにおいて介護なしでは難しい状態。

要介護5
要介護4の状態からさらに進み、食事や排せつは自分ではできない、意志の伝達も困難になった状態。日常生活すべてにおいて介護なしでは不可能な状態。

介護認定ごとの給付額はいくらまで?

利用できる介護サービスは、ホームヘルパーなどの訪問、デイサービスなどの通所、医師の指示のもとでの看護師による世話や診療などが考えられます。
給付額と考えられる介護サービスの目安について挙げてみます。

要支援1
支給限度額は、月額5万30円 週1回のホームヘルパー、月2回のショートステイ

要支援2
支給限度額は、月額10万4730円 週2回のホームヘルパー、月2回のショートステイに加え、歩行補助杖の貸与費用も給付の対象

要介護1
支給限度額は、月額16万6920円 週3回のホームヘルパー、週1回の看護師の訪問、週2回のデイサービス・デイケア、3か月に1週間単位でのショートステイ、歩行補助杖などの貸与

要介護2
支給限度額は、月額19万6160円 金額に大きな差がなく、介護サービスの内容にも要介護度1と大きな違いはない

要介護3
支給限度額は、月額26万9310円 週2回のホームヘルパー、週1回の看護師の訪問、週3回のデイサービス・デイケア、毎日1回の夜間巡回型訪問介護、2か月に1週間単位でのショートステイ、手すりなどの福祉用具の貸与

※立ち上がりや歩行が不安定なことに加え、排泄や入浴、着替えなどもほぼ全面的な介助が必要なので、ホームヘルパーに来てもらうよりもデイサービスやショートステイなどを積極的に利用するなど、介護者の負担にも目を向けることが必要。

要介護4 支給限度額は、月額30万8060円 週6回のホームヘルパー、週2回の看護師の訪問、週1回のデイサービス・デイケア、毎日1回の夜間巡回型訪問介護、2か月に1週間単位でのショートステイ、手すりなどの福祉用具の貸与

※歩行や姿勢の保持などがますます不安定になり、転倒などの危険が常にある状態。食事や排せつなどの介助が常に必要なため介護者の負担は著しい。ホームヘルパーの訪問回数を増やし、昼間だけでも介助負担を少しでも減らすことが大切。

要介護5
支給限度額は、月額36万650円 週5回のホームヘルパー、週2回の看護師の訪問、週1回のデイサービス・デイケア、毎日早朝、夜間2回の夜間巡回型訪問介護、1か月に1週間単位でのショートステイ、手すりなどの福祉用具の貸与

※昼夜逆転が起こる、夜間の排泄介助の回数が増すなどの変化も出てきます。介護者の睡眠を確保するためにも、早朝や夜間の巡回型訪問介護も検討しましょう。

まとめ

要介護認定の決まり方、要支援度・要介護度それぞれの判定目安やそれぞれに該当する介護サービスの例などをご紹介しましたが、いかがでしたか。

支給限度額だけを見ると、要介護度が高く認定された方が支給限度額も多くお得なようですが、介護度が上がればサービスにかかる金額も上がるので、要介護度認定が高い方がよいというわけではありません。 介護者の手が十分にあり、介護サービスを利用する機会があまり多くない場合には、サービス費用が安くなる低めの要介護度の方がよいでしょう。

お住まいの地域によって実際に利用できるサービスに違いがありますから、詳しいことはケアマネジャーに相談してください。

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