親子の老後編集部

後期高齢者医療制度の基礎知識。自己負担額や高額療養費は?

健康・介護

2018.7.30

人間いつまでも健康でいたい。 そう思っても、実際には高齢になると病気になることがどうしても多くなります。そのときに心配なのが医療費ですよね。 年金暮らしになるとどうしても収入は限られてしまいます。そんなときに高額の医療費がかかると生活が成り立つかどうかが心配になります。

しかし、高齢者に対しては、医療制度も「後期高齢者医療制度」という別の制度となっており、負担が重くなりすぎないように配慮されています。
ここでは、普段なじみのない「後期高齢者医療制度」についてご紹介します。

後期高齢者医療制度とは

病気になったときに何気なく使用している保険証ですが、その違いについて意識したことはあるでしょうか。

日本では、国民のほぼ全員が社会保険または国民健康保険に加入しています。社会保険は会社に勤務している人、国民健康保険はそれ以外の自営業の人や学生などが加入しています。 病気やケガなどで医療費がかかったときはそのうちの3割が自己負担となるのが一般的です。

「後期高齢者医療制度」とは、社会保険や国民健康保険とは別の、独立した医療制度です。高齢者の増加に伴い、平成20年4月より開始されました。

後期高齢者医療制度の対象者と保険料

国民健康保険や社会保険の加入者であって次の条件に該当する人と、その同居している被扶養者が、後期高齢者医療制度の対象者となります。

・75歳以上の人(75歳の誕生日当日から資格取得)
・65歳以上74歳以下の方で、寝たきり等一定の障害があると認定された人

74歳までは国民健康保険や、働いている場合は健康保険組合に加入していますが、75歳になるとそれらの保険を脱退し、 後期高齢者医療制度に加入することになります。 加入すると、1人に1枚ずつ後期高齢者医療被保険者証が交付されます。

後期高齢者医療制度の自己負担額

窓口負担 自己負担限度額
(外来・入院) 外来(個人毎) 外来・入院(世帯毎)
現役並み所得者 3割 57,600円 80,100円̟̟+(医療費-267,000円)×1%
(4カ月目以降44,400円)
一般 1割 14,000円
(年間上限144,000円上限)
57,600円̟
(4カ月目以降44,400円)
低所得者Ⅱ 8,000円 24,600円
低所得者Ⅰ 8,000円 15,000円

「現役並み所得者」とは、収入が以下の金額を越える人のことです。
・単身世帯:年収383万円
・夫婦2人世帯:年収520万円

ただし、現役並み所得者でも、被保険者本人と70歳以上の家族(65歳以上で後期高齢者医療の障害認定を受けている人も含む)の収入合計額がこの基準額に満たない場合には、申請により2割負担となります。

「低所得者」とは、住民税非課税者で、収入が以下の状態の人のことです。
・低所得者Ⅰ:収入が年金のみで 、
       単独世帯の場合、年収約80万円未満。
       夫婦2人世帯で年収約130万円未満。
・低所得者Ⅱ:それ以外は、低所得者Ⅱ(130万円超~267万円未満)。

後期高齢者医療制度の保険料

後期高齢者医療制度においては、「扶養」という制度はなく、保険料は後期高齢者一人一人が納めることになります。

保険料は、所得に応じて負担する「所得割(応能分)」と被保険者が均等に負担する 「被保険者均等割(応益分)」の合計になります。具体的な保険料は各広域連合ごとに決められますので、 詳しくは、各都道府県の広域連合または市区町村の窓口にご確認ください。 保険料(年額)の上限は50万円です。

・被扶養者に対する軽減措置
健康保険組合や共済組合の被扶養者で、これまで自分で保険料を負担していなかった人も、後期高齢者になると新しく後期高齢者医療制度の保険料を負担することになります。しかし、自己負担がなかった人が保険料を納めるようになると負担が大きくなります。

そこで、健康保険組合や共済組合の被扶養者であった人については、急激な負担増を避けるため、後期高齢者医療制度の被保険者となった日の属する月から2年間、保険料の所得割の負担はなく、均等割は5割軽減されます。現在は、特例処置により9割軽減となっています。

・低所得者に対する軽減措置
所得が低い世帯に属する人の被保険者均等割額は以下のように軽減されます。 軽減されるかどうかは、被保険者と世帯主の所得の合計で判定します。世帯主が被保険者でない場合でも、 その人の所得は、判定の対象となります。

総所得金額等の合計が下記の金額以下の世帯 軽減割合
33万円 7割
33万円+24万5千円×世帯に属する被保険者数
(被保険者である世帯主を除く)
5割
33万円+35万×世帯に属する被保険者数 2割

高額療養費について

通院や入院をして医療費がかかった場合、健康保険の適用される治療については、1か月に実際に支払う一部負担金は上記の限度額までとなります。

医療費が限度額を超えた場合は高額療養費として払い戻します。対象となる場合は、初めて該当する場合に、診療の月の約4か月後に地域の後期高齢者医療広域連合から申請書が送付されます。 以後は、医療費が限度額を越えた場合は自動的に払い戻しの手続きがなされます。

保険料の納付方法

・年金受給額が年額18万円以上
 年金から天引き(特別徴収)。
 ただし、介護保険料を合わせた保険料額が年金額の2分の1を超える人は除く。

・それ以外
 口座振替や納付書などによる納付(普通徴収)。

後期高齢者医療制度の窓口

後期高齢者医療制度は、各都道府県の広域連合と市区町村とが連携して事務を行います。

各種届出の受付や被保険者証等の引き渡し等の窓口業務、保険料の徴収などは市町村、資格の認定、被保険者証等の交付、保険料の決定、医療給付の審査・支払いなどは広域連合が行います。

後期高齢者医療制度について問い合わせがある場合、まずは住んでいる市町村に連絡してみましょう。

後期高齢者医療制度の財源

後期高齢者医療制度は、患者の自己負担額をのぞいた医療費のうち、国、都道府県、区市町村の公費で5割、若年者(74歳以下)の健康保険からの支援金で4割、残りの1割を後期高齢者の保険料でまかなう仕組みになっています。

まとめ

医療費というと高額なイメージがあり、高齢になると病気も増えるため大変な状態になるのではという恐れを持つことが多いですが、実際には後期高齢者医療制度によって負担が大きくなりすぎないように配慮されています。高額の医療費がかかった場合には、高額療養費によって一定額以上のお金は払い戻しされます。

老後のお金について考えるときには、後期高齢者医療制度のことも正しく理解して、計画を立てるようにしましょう。 後期高齢者医療制度の保険料は高齢者の住んでいる地域によって異なるので、不明な点は市町村の窓口に問い合わせをしてみてください。

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