親子の老後編集部

老人ホームのガイド(グループホーム編)

暮らし

2018.10.22


自立した生活が可能、介護度が低い。そういった場合に考えられるのが「サービス付き高齢者住宅」「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」でした。まだまだひとり暮らしが可能なときからの早めの準備、同居家族の負担や心配を減らすための早めの入居といった利用のしかたが考えられます。

それに対して「グループホーム」は認知症の症状がすでにあるところからの共同生活場所です。どういった特徴のところなのか、どういう人たちが入居しているのかなどについてご説明します。

グループホームの特徴

「認知症対応型共同生活介護」の考え方に基づき作られた、認知症(急性を除く)の高齢者に対する共同生活住居が「グループホーム」です。入浴・排泄・食事等の介護などの日常生活上のお世話と機能訓練を行い、能力に応じた自立した日常生活が送れることを目的としています。メリットとデメリットという点から、その特徴をさらに詳しくご説明します。

メリット

・認地症がすでにある状態で受け入れ可能
認知症があることを前提とした施設なので、認知症を理由とした問題行動に対しての対応には慣れています。また入浴や排せつ等に不安がある場合でも入居でき、自立できるための支援が受けられます。

・少人数で家庭的
1ユニット9人まで、ひとつの施設で2ユニットまでと決まっています。家庭的な雰囲気の中、認知症高齢者が安心して暮らせる場であることを何より大事にしています。

・自立支援をサポートする
できないこと、難しいこと、時間がかかることに対し、すぐに介助の手を差し伸べるというより、ゆっくりひとつひとつを見守り、自立した生活が送れる支援をすることに重きを置いています。料理や洗濯、買い物などを共にすることもあります。家庭的な雰囲気が感じられるのはこうしたゆったりした対応からでしょう。

・費用がリーズナブル
入居一時金は要らないこともあり、認知症に対応できるにも関わらず費用は良心的です。

・地域に密着
グループホームは地域密着型サービスのひとつです。住み慣れた地域から遠く離れない場所で探すことになるので、家族にとって負担が少なくて済みます。また近隣の学校から生徒たちが遊びに来ることなどもあり、自宅で過ごしていたときとまわりの環境があまり変わらないともいえます。

デメリット

・重度の介護が必要な場合は難しい
認知症に対するケアや自立支援が目的の施設なので、ほとんど寝たきりのような状態での入居は難しいとされています。また要介護度が上がった場合や長期入院が必要になったときには退居しなくてはいけない場合もあります。

・医療的ケアは必須ではない
看護師の常駐が義務ではないこともあり、胃ろうなどの医療的ケアを常に受けるのは難しいとされています。が、定期的な診療については提携病院などで対応しており、家族の代わりに通院に付き添ってくれるなどのサービスがあります。

・居室は有料老人ホームと比べ狭い
一人あたりの居室の広さが、有料老人ホームが13㎡以上に対し、グループホームは7.43㎡と若干狭くなっています。部屋にトイレがついているかどうかは施設によりますが、洗面所はついていないことが多いようです。自立を支援するのが目的なので、洗面なども見守りながらしてもらうためです。

・生活地域圏内にあるグループホームしか入居できない
1ユニットが9人まで、ひとつの施設で2ユニットまでなので、受け入れ18人までの施設となります。
少ないですが、だからといって住んでいる地域と遠く離れたグループホームにまで範囲を広げて探すことはできません。グループホームはあくまでも地域密着型サービスだからです。

グループホームの入居条件

認知症のある高齢者を対象に生活介護をサポートし、自立支援を促す目的に沿った人が入居できます。

・年齢
原則65歳以上とされています。

・介護度
要支援2または要介護1以上の介護認定を受けている人が対象になります。サービス付き高齢者住宅や住宅型有料老人ホームと違い、ほとんど自立している人は入居できません。

・住民票
地域密着型のサービスなので、施設と同一地域内に住民票があることが条件となっています。

・感染症などにかかっていないこと
施設としての医療面でのケアは原則的には行っていないので、伝染病の病気や疾患を持っていないことが条件になります。「グループホームに入れるのは元気な証拠」と俗にいわれるのはこのためです。民間が経営していてもその運営は市町村のルールに沿ったものになるので、完全に民間で運営する有料老人ホームと比較すると条件が厳しいように感じるかもしれません。

グループホームの費用

入居一時金は0円である場合や数百万円かかる場合などさまざまです。

月々かかる費用は、家賃に加え、食費・光熱費・介護保険の1割自己負担額の他、紙おむつなどの雑費となります。目安としては15~30万円です。契約プランや介護度により違いがあります。

グループホームの設備

厚生省が発表した資料からの設備に関する要件は下記の通りです。
・住宅地に立地
・居室は7.43㎡以上で原則個室
・その他、居間・食堂・台所、浴室等の日常生活に必要な設備

なぜ1ユニット9人まで、ひとつの施設2ユニットまでと決められているの?


参考資料:認知症対応型生活介護の概要(厚生省)より

グループホームは認知症高齢者を対象とした施設です。
認知症のある高齢者は、新しい事や新しい人を覚え、認識するのが苦手といった傾向があります。しかし大きな施設では入居者の入れ替わりも当然多くなりますし、職員の数も多いので、入居者にとっては日々いろいろな人に出会うという認識になります。
こういった環境では本人が落ち着かないばかりか不安感を持つ場合もあり、問題行動が悪化する可能性もあります。

たとえば、以下のような例があります。
認知症かどうかまだ家族も判断しかねていた時期に、ロングステイで大きな施設を利用したひとりの高齢者の話です。入居してある程度の期間がたっても「職員の人が全然覚えられない」と気にしていました。気にしなくていいと家族がどんなに話してもその不安感はなくならなかったようです。ときに家に帰りたいと大騒ぎをし、そのたびに家に連絡が来ました。
グループホームに入ってからは、少人数で家庭的な雰囲気に安心したのか、そういった問題行動はなくなりました。1か月もしないうちにそこに馴染み、家に帰りたいという気持ちを口にしつつも、居心地のよさと家族がたびたび訪れることに安心してか落ち着いて過ごせるようになりました。

グループホームは、9~18人という少人数の環境の中、入居者どうし、また施設職員と信頼関係を築きながら生活できる場なのです。

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