親子の老後編集部

老人ホームのガイド(介護付き有料老人ホーム編)

暮らし

2018.10.9


高齢者向けの施設はさまざまな種類があり、大きく分けて公的施設と民間運営に分けられますが、同じ敷地内に公的施設である特別養護老人ホームとケアハウス(軽費老人ホーム)が建っていることもあり、その違いはよけいにわかりにくいものになっています。
ここでは、民間運営である有料老人ホームの中の「介護付き有料老人ホーム」について、どういった特徴があるのか、どういった人たちが入れるのか、その設備などについてご説明します。

介護付き有料老人ホームの特徴

名称の通り介護付きが前提となっている施設ですが、サービス付き高齢者住宅でも介護をつけることができるので、どちらでもいいんじゃない?とも考えられ迷いますね。介護のことも含め、その他のメリットやデメリットをご説明します。

メリット

・介護全般が受けられる
介護が必要な場合は別料金で、介護の内容にも細かい制約があるサービス付き高齢者住宅と違い、食事・入浴・排泄などの介護全般が受けられるというところからスタートしています。ここがサービス付き高齢者住宅との大きな違いです。
将来、寝たきりになっても入浴できる特殊な機械がある施設も多く、先のことを考え合わせると安心な設備が整っています。

・医療的ケアへの配慮が高い
結核などの感染症や胃ろう、ストマ、気管切開といった医療行為を伴うケアが必要な人も受け入れる、または医療機関との密な連携があるなど、医療面でも安心してケアが受けられる仕組みになっているところがほとんどです。
ただし細かい入居基準や設備やサービスの内容は施設によって変わってくるので、事前の資料確認、質問は注意してしましょう。

・24時間スタッフが常駐している
夜間も外部のセキュリティ会社に任せることなく、スタッフが常駐しているので安心です。中には看護師が常駐しているところもあります。

・より充実した生活のためのサービス
介護付き有料老人ホームは、リハビリなどの時間やサークル活動、イベントや小旅行の実施など、より充実した楽しい生活ができるための配慮がされています。

デメリット

・入居一時金が必要
中には0円のところもありますが、多くは入居一時金が必要です。というのは、サービス付き高齢者住宅は賃貸契約なのに対し、有料老人ホームは利用する権利を購入するという契約形態の違いがあるからです。
設備や人員配置の充実度によっては、かなりのまとまった金額、数千万円になる施設もあります。もちろん、それとは別に月額料金もかかります。

・自立した高齢者は窮屈さを感じる
先々のことを考えれば安心な介護付き有料老人ホームですが、自立している、または介護度が低い高齢者にとっては、不自由に感じることもあります。
たとえば入浴時間が決められていること、外出や外泊に届け出が必要なことなどが挙げられます。

介護付き有料老人ホームの入居条件

年齢条件は原則65歳以上ですが、「介護専用型」と「混合型」の2種類があり、介護度に関して入居条件が違ってきます。

・介護専用型
要介護度1~5までが対象。

・混合型
要介護度が高い人はもちろん、自立可能な高齢者でも入居できます。

また賃貸契約ではなく終身利用ができる権利を買うことになる契約条件の違いから、身元引受人の有無、感染症にかかっているかどうかなど、施設によっての条件が違います。

介護付き有料老人ホームの費用

デメリットのところでも少し書きましたが、入居一時金が必要な場合が多いこと、設備やサービス内容によってはかなりの高額になるところがあることが特徴です。
月額については15~35万円といったところでサービス付き高齢者住宅と比べると若干の割高感はありますが、何といっても入居一時金の有無やその金額に違いがあるので、それにともなっての月額料金設定とも考えられます。

介護付き有料老人ホームの設備

介護が必要な高齢者が多いので、共同で設備を利用することが多くなっています。

・広さ
入居者の各個室は13㎡以上と定められていますが、実際には18~23㎡程度の居室が多くなっています。

・居室内にある設備
基本設備として洗面とトイレがあります。が、多床室の場合は共同になっていることもあります。

・入浴設備は個室内ではなく共同
入浴設備については共同で個室外に設けられていることがほとんどです。浴室の種類は、ひとりで入る個浴、温泉施設のような共同浴、介助が必要な人が入る機械浴など、希望や介護度に応じた種類を備えています。

・その他、設備
サービス付き高齢者住宅と違い、自由に外出ができない状況にある高齢者のために、施設内の設備は充実していることがほとんどです。

・食事の場所、兼リビング
社員食堂のように食事をするだけの場所というより、リビングのようにくつろぎながら食事ができる場所になっています。食事そのものが大事な娯楽のひとつ、生活の彩りと変わってきているからです。

・その他の設備
ちょっとしたイベントやレクリエーションができるホールのような場所があったり、ベランダや庭に花壇が設けられていたりと、そのホーム内で生活が楽しめる工夫がされています。洗濯室や理美容室があるところもあります。
また介護や医療面に関しての設備として、機能訓練ができるリハビリ室や健康管理室がある老人ホームもあります。

その他、注意すべきこと

介護付き有料老人ホームの場合は入居一時金が高額のため、それに関するトラブルがないとはいえません。平成22年の消費者委員会調査の結果によると、契約や解約に関するトラブルが断トツに多く挙がっています。


参照元:厚生労働省「介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて」資料P15

有料老人ホーム設置運営標準指導指針による「90日ルール」では、90日以内の契約解除の場合、既受領の一時金の全額を返還する際、「契約解除日までの利用期間に係る利用料及び原状回復のための費用について、適切な範囲で設定し、受領することはさしつかえないこと。また当該費用については契約書等に明示すること」とされています。
しかし実際には3割の有料老人ホームにおいてこのルールの記載がないという現状です。

契約し入居をしたものの、こちらの都合で契約を解除する場合はないとはいえません。トラブルのもととならないよう契約事項の確認はきちんとしておくべきでしょう。ここが権利を買う有料老人ホームと賃貸契約であるサービス付き高齢者住宅との違いです。

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