親子の老後編集部

老人ホームのガイド(特別養護老人ホーム編)

暮らし

2018.10.29

一般的に「特養」とよばれ親しまれていますが、正式な名前は「特別養護老人ホーム」。介護保険法上の定義では「介護老人福祉施設」といいます。
「特養は人気だから、なかなか入れないよね」とよくうわさされていますが、実際にどんな点で人気なのか、どういった特徴があるかについてご説明します。

特別養護老人ホームの特徴

特別養護老人ホームの大きな特徴はふたつあります。
ひとつは公的施設であることで、運営は社会福祉法人や地方公共団体です。
もうひとつの特徴は「寝たきり」「認知症」など介護度が高い人のための施設であるということです。

メリット・デメリットといった観点からもう少し詳しくみて行きましょう。

メリット

・費用が安い
民間の有料老人ホームと比べ、低料金で済みます。入居一時金がありませんし、月額利用料も10万円程度です。さらに特別養護老人ホームの施設サービス利用料の半額相当が医療費控除になります。これによって納付する税額が変わるので、実質的にかかる費用が減ります。

・自立した生活が無理でも入居できる
自立が難しい人でも入居できるというより、むしろそういった人向けの施設といえます。なかなか入居できないことへの対策として2015年からの制度が改正され、介護度3以上の人でないと入居できなくなり、さらにそういった介護度の高い人向けのいう特徴がはっきりしました。

・終の棲家として看取りが可
特別養護老人ホームのメリットといえば費用の安さが一番に挙げられますが、終身利用ができるというのも大きな安心できる特徴です。同じく費用が安い公的施設として介護老人保健施設がありますが、原則として入所が3ケ月までとされています。

・24時間の介護体制が整っている
要介護度の高い人のための施設なので、介護は24時間体制です。夜間の介護が必要な方も安心して入居できます。

・日中は看護師が常駐している
入居者100人に対して3人という基準のもと、看護師が常駐しているので安心です。同じく医師についても1人という基準がありますが非常勤の医師の場合は毎日いるわけではありません。

・介護職員以外の専門的なスタッフがいる
法的に定められた職員として、介護職員、看護師、医師のほかに、機能訓練指導員、栄養士、生活相談員、敬語支援専門員(ケアマネージャー)がいます。入居者の受け入れ人数が基本的に多く、大規模な施設が多い特養ですが、スタッフについてもさまざまな専門の立場からケアしていく体制が整っているともいえます。

デメリット

・要介護度の低い人は入れない
入居希望の待機者を減らすため2015年からの制度が改正されました。これによって要介護度1・2では入居はできないこととなりました。ただし、認知症の有無や同居の家族がいないなど家庭環境により特別に配慮されることもあります。

・夜間の医療ケアは十分ではないこともある
日中は必ず看護師の配置が義務化されている特別養護老人ホームですが、夜間常駐は義務ではありません。また胃ろうやたん吸引、経管栄養などの医療処置が必要な場合は退居となる可能性もあります。

介護が24時間受けられるという何よりのメリットがあり、医療ケアについても看護師常駐ということで他より安心できる点が多い特別養護老人ホームですが、すべて何でもというわけではありません。ただし最近のニーズの高まりにより、医療ケアの一部に対応していることもあるので、相談してみるとよいでしょう。

・施設として大きすぎる
職員も多く、施設自体の規模も大きいことが多いので、たくさんの人数の受け入れが可能です。半面、たくさんの人の出入りが気になる認知症の人やこじんまりした家庭的な雰囲気を望む人には、落ち着かない面もあります。

特別養護老人ホームの入居条件

介護度が高い人向けの施設である特別養護老人ホームは、介護度3以上であることが何よりの条件です。病気や障害で寝たきりの人でも入居可能です。
ただそれだけに人気が高く、順番待ちになっているのが現状です。

特別養護老人ホームの費用

入居一時金は0円ですし、世帯収入・課税状況によって料金が決まります。また相部屋や個室ユニットなど同じ施設内にいろいろなタイプの部屋があることもあり、選択肢は広くなっています。

多床棟とよばれる相部屋であれば8万円、ユニット型個室であれば13万円が目安です。これらは家賃・食費・光熱費・雑費などに当てられます。

終身利用が可能な公的施設なので、長い利用を考えるとかかる料金は安いことは大きなメリットでしょう。

特別養護老人ホームの設備

・居室
地上2階以上で、相部屋であっても1室4人までと決められています。ユニット個室の場合は1居室1人で、1ユニットの定員は10人以下。居室面積は10.65㎡以上です。

・浴室
体の不自由な人でも入浴しやすい浴槽になっています。また機械浴など要介護度の高い方のための準備は万全です。

・常夜灯、手すり、廊下の幅
24時間体制で介護できるよう、また車椅子移動もしやすいよう、常夜灯や手すりの設置、廊下の幅の確保などが法的にも決められています。

・収納家具設置
終身利用可能な施設なので、相部屋であってもベッドの他に収納家具が置かれています。

・その他、設備
洗濯場、汚物処理室、介護材料室、事務室、医務室、調理室などの設置も義務づけられています。ただし特別養護老人ホームでもサテライト型居住施設では、医務室、調理室については簡易なものでもよいことになっています。

待機中の人はまだまだ多い

特別養護老人ホームは、申し込んでいたがなかなか順番が回ってこないまま亡くなってしまったと言われることもあるほど待機者の多い施設です。待機者を減らすため2015年には要介護3以上に人に限りつつ、要介護1・2であっても居宅での生活が困難である場合には特例入所にするなど、ニーズにこたえるべく検討、努力中といったところです。

実際にどの程度の入所申し込みがあり、どの程度受け入れられているのかの厚生省から発表された数字を全体からと県別のものとを下に挙げました(参考資料:厚生労働省)。
全国的な数字で、申し込んでいるにも関わらず在宅になっている割合は41.7%です。介護者の負担が気になる数字の高さです。

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