親子の老後編集部

老後の生活拠点は自宅?施設?費用や生活スタイルで分かり易く比較!

暮らし

2017.11.20

人生90年の時代となり、長い老後、どこを生活拠点として過ごすかは大きな問題となりました。元気なうちはいいのですが、いよいよ介護が必要となったときには、そのまま自宅で介護を受けながら生活するか、施設に入るかを考えることになります。また、年金生活となるとお金のことも考えなければなりません。

ここでは、介護が必要となった場合、自宅と施設では費用がどのように違うのかをみていきます。

自宅介護の場合

自宅の場合、家族の介護を受けながら介護保険のサービスも利用していくことになります。一人暮らしの場合も、身体面の介護だけでなく生活面でも援助を受けることができるので、そのようなサービスを受けながら生活することになります。

介護保険は、要介護度によって保険適用で受けられるサービスの金額が決まっており、それを越える部分は自己負担になります。
自己負担の限度額は、1割負担の場合、次のようになっています。
(かっこ内は区分支給限度額)

要介護1 16,692円(166.920円)
要介護2 19,616円(196,160円)
要介護3 26,931円(269,310円)
要介護4 30,806円(308,060円)
要介護5 36,065円(360,650円)

たとえば、要介護1の場合、166,920円までの介護は、自己負担は16,692円までの金額で受けることができます。

自宅で受ける介護にはどのくらいかかる?

では、実際の介護にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。

介護サービスには介護の内容によってそれぞれ金額が定められており、介護度や地域によって少しずつ差があります。
ここではおおよその金額をご紹介します。(かっこ内は10割負担額)

・身体介護(食事・排泄・入浴などの身体に直接触れる援助)
30分 約250円(2,500円)

・生活援助(調理・掃除・洗濯などの生活面の援助)
30分 約200円(2,000円)

・訪問入浴(浴槽を利用者の自宅へ運び込んで入浴介助を行う)
1回 約1200円(12,000円)

・デイサービス(施設に通って介護サービスを受ける)
5時間以上7時間未満の利用で1回600円〜1,200円(6,000円〜12,000円)

このようなサービスを、たとえば身体介護を週7日、生活援助を週3日、デイサービスを週1日、というように組み合わせて利用します。 介護保険の範囲内で収めることができれば、最も重い要介護5でも約36,000円の自己負担で介護サービスを受けることができます。 ただ、この範囲を越えてしまうと10割負担となるため、金額は跳ね上がります。

施設の場合

公的な施設は費用は安いが入居が困難

一口に「施設」と言っても、色々な種類があり、必要となる金額にも違いがあります。
公的な老人ホームは、行政からの援助があるので費用は安く抑えられています。

たとえば、特別養護老人ホームは、入居一時金などは不要で、月額60,000円から150,000円で入居できます。所得が少ない人は低い料金で入ることができます。

ただ、特別養護老人ホームは、原則として65歳以上で要介護3以上でないと入居できません。また、希望者が非常に多いので、介護度だけでなく介護する人がいるかいないか、収入や資産額などによっても選考されるので、なかなか入れないのが実情です。

また、他に費用が比較的安い施設としては養護老人ホームケアハウスなどがありますが、これらは生活困窮者や障害を持つ人のための施設となります。

民間の施設はさまざな選択肢がある

民間企業が経営する施設は、入居のハードルは公的な施設よりも高くありませんが、費用の負担は多くなります。また、同じ種類の施設であっても、利用料には大きな違いがあります。

有料老人ホームには、介護を必要とする場合、「住宅型」「介護付」という区別があります。「介護付」は施設内の介護サービスを使い、「住宅型」は外部の介護サービスから好きなものを選べるという点に違いがあります。入居金は0円〜1000万円、月額利用料は150,000円〜300,000円くらいになります。

現在人気の高まっているサービス付き高齢者住宅も、敷金70,000円〜210,000円、月額利用料は150,000円〜300,000円くらいかかります。

認知症の高齢者が共同生活をするグループホームは老人ホームより少し費用が抑えられており、入居金0〜200,000円、月額利用料は100,000円〜300,000円ほどになります。

いずれの施設も、介護度が進むと介護保険の自己負担分が増額するので、要介護1に比べると要介護5の場合は約3,000円〜10,000円高くなります。

自宅と施設のコストの差はどのくらい?

民間の施設の月額利用料には、食費や水道光熱費などの自宅で生活していても必ず必要となる費用も含まれています。しかし、施設の場合「家賃」「管理費」として80,000円〜180,000円かかることを考えるだけでも、やはり自宅で生活するほうが費用としては安くなります。

また、自宅の場合は、慣れ親しんだ環境や人間関係の中ですごすことができ、比較的自由があるということもメリットとなります。 ただ、自宅で介護をする場合は、家族が介護を主に担当して、大変な部分を介護サービスを利用して負担を軽減する、というかたちになります。かかる費用が少ない分、家族の負担は大きくなります。

また、一人暮らしの場合、自宅がよいか施設がよいかは本人の状態によるところが大きくなります。本人の状態が安定していれば、ヘルパーやデイサービスといった適切な介護サービスを受けることによって自宅での生活を続けることは可能です。

しかし、介護度が進むと、必要となる介護サービスも増え、限度額を越えた部分は自己負担で介護サービスを受けなければならなくなるかもしれません。そうなると、自宅だから施設に比べて費用が抑えられるとは一概に言えなくなります。

状況に応じて自宅か施設かを考えよう

老後の生活拠点をどこにするかは、生活スタイルの面でも、費用の面でも大きな違いがあります。親の要介護度や実際の状態によっても介護の負担度やかかる金額も違ってくるでしょう。

また、これまで紹介した施設に関してかかる金額は平均的なもので、施設によって必要となる金額には大きな違いがあります。実際に介護が必要となったときには、地域にある施設のサービスや金額を調べて比較することが大切になります。

自宅と施設の違いを把握して、状況に応じて適切なサービスが受けられるよう情報を集めながら柔軟に対応していくようにしましょう。

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