親子の老後編集部

相続の基礎知識(相続の順位と移動、相続の割合について)

お金

2017.11.2

人が亡くなるとその人が持っていた財産は相続されることになります。
遺言書がない場合、財産は血のつながりのある親族に相続されます。

たとえば、夫の父親が亡くなった場合、一緒に住んで介護をしていたとしても、相続の権利があるのは夫で、妻は血のつながりがないので相続することはできません。
相続はわかりにくいものですが法律によって親族間の相続する順序が定められています。

ここでは、相続が発生したときにどういう順位で相続することになるか、また、相続すべき人がいない場合には相続する順序はどのように変わるかについてご説明します。

基本となる相続の範囲と順位

人が亡くなったときの相続人の範囲や法定相続分は、民法によって次のように定められています。

まず、亡くなった人が結婚していると、配偶者は常に相続人になります。
配偶者以外の人は、次の順序で配偶者と一緒に相続人になります。複数の順位の人がいても、高順位の人から相続していくことになります。配偶者がいない場合は、同じ順位の人の中だけで相続し、複数の順位にまたがって相続することはありません。

第1順位:死亡した人の子供

第2順位:死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など)
 第2順位の人は、第1順位の人がいないとき相続人になります。

第3順位:死亡した人の兄弟姉妹
 第3順位の人は、第1順位の人も第2順位の人もいないとき相続人になります。

代襲相続とは

本来相続する人が先に亡くなっている場合に、その人の直系の親族が代わって相続することを代襲相続と言います。代襲相続する人のことは代襲相続人と言います。

たとえば、亡くなった人の子供がすでに亡くなっていて、その子供に子供(被相続人から見ると孫)がいる場合、子供が相続すべき財産は孫が相続します。このときは孫が代襲相続人となります。

相続のパターンと相続する財産の割合

死亡した人が結婚していた場合、配偶者は常に相続人となります。
配偶者は相続の割合も大きくなっています。

たとえば、配偶者と子供がいるときは、配偶者と子供が相続人となります。
子供がおらず、死亡した人の親が存命の場合は、配偶者と親が相続人となります。
もし、配偶者以外に親族がいないときは、配偶者のみが相続人となります。

次に、相続の順位に従って実際の相続がどのようになるかを見ていきましょう。

第1順位:死亡した人の子供

配偶者がいる場合は、配偶者と子供が相続人となります。配偶者がいないときは子供だけで相続します。

配偶者と子供が相続する場合の割合は、配偶者が2分の1、子供が2分の1となります。子供が複数いる場合は、子供の数で頭割りした割合で相続することになります。

たとえば、配偶者と子供2人がいる場合、配偶者が2分の1、子供が2分の1を2人で分けるので、子供1人当たりの取り分は4分の1となります。

その子供がすでに死亡しているときは、その子供の直系卑属(子供や孫=亡くなった人の孫やひ孫)が代襲相続人となります。
子供も孫もいるときは、死亡した人により近い世代である子供が相続人となり、孫は相続しません。

第2順位:死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など)

亡くなった人に子供がおらず、父母が存命でいるときは、父母が相続人となります。配偶者がいる場合は、配偶者と父母が相続します。

配偶者と父母が相続する場合の割合は、配偶者が3分の2、父母が3分の1となります。父母ともいる場合は、法定相続分を半分ずつ相続することになります。

たとえば、配偶者と父母がいる場合、配偶者が3分の2、父母が3分の1を2人で分けるので、父母 それぞれの取り分は6分の1となります。
配偶者がいない場合は父母が半分ずつ相続することになります。

亡くなった人の父母も他界している場合、亡くなった父母の父母(亡くなった被相続人の祖父母)が存命しているときには、祖父母が代襲相続人となります。
父母も祖父母も存命でいるときは、死亡した人により近い世代である父母が相続人となり、祖父母は相続しません。

第3順位:死亡した人の兄弟姉妹

亡くなった人に子供がおらず、父母も他界しているときは、兄弟姉妹が相続人となります。配偶者がいる場合は、配偶者と兄弟姉妹が相続します。

配偶者と兄弟姉妹が相続する場合の割合は、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1となります。兄弟姉妹が複数いる場合は、兄弟姉妹の数で頭割りした割合で相続することになります。

たとえば、配偶者と兄弟姉妹2人がいる場合、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1を2人で分けるので、兄弟姉妹1人当たりの取り分は8分の1となります。

配偶者がおらず、兄弟が複数いる場合は、頭割りして相続することになります。その兄弟姉妹がすでに死亡しているときは、その兄弟姉妹の子供(亡くなった人の甥や姪)が代襲相続人となります。

相続が発生する場合・しない場合

実子と養子がいる場合
養子は法律的に実子と同じ扱いになりますので、実子と養子は同じ割合で相続します。

再婚相手の連れ子がいる場合
再婚をしただけでは相手の連れ子に相続の権利は発生しません。連れ子と養子縁組をした場合には実子と同様の権利が与えられます。

離婚した相手との間に子供がいる場合
離婚した以前の配偶者には相続の権利はありませんが、子供には権利があります。再婚相手との間に子供がいる場合には、両方の子供の取り分は同等となります。

認知した子供がいる場合
認知した子供にも相続の権利があります。実子と認知した子供の扱いは同じなので、両方の子供の取り分は同等となります。

相続を放棄したときはどうなる?

たとえば亡くなった人に借金がある場合などは、相続放棄すれば借金を引き継ぐ必要がなくなります。相続放棄とはプラスの財産もマイナスの財産も含めてすべての相続を放棄することです。

相続放棄をするとその人は初めからいなかったものとして扱われるので、ある順位の人が全員相続放棄をすると、相続権は次の順位の人に移ります。また、相続放棄をすると代襲相続もなくなるので、子供が相続放棄をしたから孫が相続するといったことは起こりません。

遺言がある場合

これまで説明してきたことは法定相続分についてですが、遺言がある場合には法定相続人以外の人に財産を残すことができます。また、相続の割合も指定することができます。

たとえば、血のつながりのない他人に相続することもできますし、親族であっても法定相続人ではない孫や従姉妹を相続人とすることも可能です。介護をした子供に財産を多く残すといったこともできます。

ただ、遺言がある場合でも、すべての相続を遺言によって決定することはできません。
法定相続人にはある程度の財産を相続できる遺留分という権利が認められています。

遺留分が認められるのは、配偶者、子供、直系尊属(父母)です。
遺留分の割合は、本来の法定相続分の2分の1となります。父母のみが法定相続人である場合は本来の相続分の3分の1となります。

ルールを知ってトラブルのない相続を

相続はわかりにくいものです。また、お金や財産がからむだけに、一度トラブルになってしまうとその後も人間関係に大きな影を落とすことになります。
相続の基本的なルールを知ったうえで、我が家の場合はどのように相続するか、そのときが来る前から話し合って準備しておくことが大切だと言えます。

>>「相続の基礎知識(相続税の基本と計算方法について)」はこちら

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