親子の老後編集部

医療費や介護費も解説!データで見る老後の生活費はいくら必要?

お金

2017.10.13

現役時代のような収入がなくなってしまう老後。
年金も、支給を開始する年齢を70歳にする案が検討されていたりしていて、先行きが不透明です。
これからは年金だけで生活することは難しくなりそうです。
自分で老後の資金を準備しておくことが欠かせません。
しかし、老後資金を準備するにも、老後の生活費がどのくらい必要かがわからないことには準備できませんよね。
ここでは、老後の生活にかかるお金について、データの面からいくら必要かを考えていきます。

老後の生活費はいくらかかっている?

では、実際老後の生活費はどのくらいかかっているのでしょうか。
ここでは、総務省統計局の平成28年家計調査年報「家計の概況」から、老後の生活について見ていきます。

夫婦で暮らす場合

高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の平均収入は212,835円で、その内訳は以下のようになっています。
・社会保障給付(年金):193,051円
・仕事による収入:14,656円
・仕送り:827円

年金による収入がほとんどですが、まだ働いている高齢者もいることがわかります。
一方で、子供などから仕送りを受けている世帯はほとんどありません。

一方で、1カ月の平均支出額は267,546円となっています。
そのうち、消費支出は237,691円。
主な支出項目の内訳は以下のとおりです。
・食費:64,827円
・住居費:14,700円
・水道光熱費:18,851円
・家具・家事用品費:9,017円
・被服費:6,675円
・保険医療費:15,044円
・交通・通信費:25,256円
・教養娯楽費:26,303円
・交際費:29,033円

また、税金や健康保険、介護保険などの非消費支出が29,422円かかっています。
住居費が約16,000円となっているのは、現在の高齢者世帯は持ち家の世帯の割合が多いためだと考えられます。
もし賃貸住まいであればもっと高くなります。

高齢者世帯の支出を見ると、現役世代とは違う特徴があります。
退職することによって収入は減りますが、不要となる支出もあります。完済した場合は住宅ローンがなくなりますし、子どもの教育費もかかりません。
また、雇用保険料と厚生年金保険料も不要になります。

一方で、趣味や旅行にかけるお金や、親戚や近所づきあいのための交際費、医療費は増加します。
国民健康保険料と介護保険料も払い続ける必要があります。
このデータの収入と支出を比較すると、54,711円のマイナスになっています。
この部分は預貯金などを切り崩して充当していると考えられます。
その家の希望する生活レベルにもよりますが、年金がしっかりもらえていると言われている現在の高齢者世代でも、年金だけで暮らしていくのは難しいのが現状のようです。

参考:http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gk02.pdf

一人暮らしの場合

高齢者単身世帯(60歳以上の単身無職世帯)の平均収入は120,093円で、内訳は以下のようになっています。
・社会保障給付(年金):111,375円
・仕事による収入:6,352円
・仕送り:858円

一方で、一ヶ月の平均支出額は156,404円となっています。
そのうち、消費支出は143,959円。
主な支出項目の内訳は以下のとおりです。
・食費:36,200円
・住居費:12.402円
・水道光熱費:12,643円
・家具・家事用品費:5,512円
・被服費:4,217円
・保険医療費:7,969円
・交通・通信費:12,480円
・教養娯楽費:17,374円
・交際費:19,172円

税金や健康保険、介護保険などの非消費支出は12,445円かかっています。
夫婦の世帯に比べると、支出金額は少なくなっていますが、半分にはなっていないことがわかります。
二人で暮らすほうが割安であると言えそうです。
住居費は夫婦の世帯と比べても約2,000円しか違いがありませんが、これは夫婦のどちらかに先立たれても持ち家の自宅で暮らしているためだと考えられます。

一人暮らしの場合も、収入と支出を比べると36,311円の不足となっています。
夫婦どちらかが先立っても大丈夫なように預貯金を準備しておくことが大切だと言えます。

参考:http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gk03.pdf

厚生年金と国民年金では支給額に違いがある

上の統計では全ての年金の平均額が示されていましたが、実際には厚生年金と国民年金では支給額に大きな差があります。
厚生労働省が発表した「平成27年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、年金受給者の平均年金月額は以下のようになっています。
厚生年金:148,000円
国民年金:56,000円
夫婦ともに正社員で働き続けて厚生年金を受給した場合、年金額は世帯で約30万円になりますが、夫婦で自営業の場合、国民年金は夫婦の分を合わせても約12万円にしかなりません。
「ねんきん定期便」で、将来のおおよその受給額がわかりますので、自分の状況に応じて準備しておく必要があります。

参考:http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12500000-Nenkinkyoku/H27.pdf

医療費の負担はどのくらい?

高齢になったとき、気になるのは病気になったときにかかるお金のことではないでしょうか。
「医療費は高い」というイメージがありますが、これまでのデータを見ると、一人あたり約7,000円ですので、他の項目と比べても極端に高いということはありません。
年をとると確かに病院にかかることは多くなり、国全体の医療費も増えています。

しかし、日本では健康保険により医療費の本人負担分は抑えられており、75歳までは3割負担、75歳以上の後期高齢者制度になると1割負担となっています。
また、高額療養費制度により、一ヶ月にかかる医療費が高くなった場合、上限を越えた分は還付されます。
収入によっても異なりますが、70歳以上で平均的な年金生活者である「一般」区分の場合、一ヶ月の医療費は入院したとしても44,400円が上限となっています。

介護にかかるお金はどのくらい?

医療費と同様に老後で心配となるのは介護にかかるお金です。
厚生労働省老健局の「介護費の動向について」によると、平成25年の年齢別の介護費用は以下のようになっています。
65〜69歳:3.5万円
70〜74歳:7.4万円
75〜79歳:17.1万円
80〜84歳:39.7万円
85〜89歳:79.9万円
90歳〜:153.9万円
これを見ると、介護費は5年ごとに倍増していっていることがわかります。
実際に高齢者が払う金額は、介護保険を利用すると1割負担となるので、介護保険の上限の中に収めれば、最高である要介護5の場合でも1ヶ月あたり 36,065円となります。
ただ、介護が始まると、家の改築でお金がかかったり、施設に入らなければならなくなったりするので、実際の負担は大きくなるでしょう。

参考:http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg1/280323/shiryou4.pdf

老後のために計画的に備えよう

現在の高齢者世代は年金が充実している世代です。持ち家率も高く、貯蓄率も高くなっており、データにもそれが反映されています。
しかし、これからは、年金の支給年齢も高くなり、収入も伸び悩む中で親の世代のように貯金するのも難しいのが現状です。
今は手厚い医療保険や介護保険も、このままの水準が維持できるという保証はありません。
老後を安心してすごすためには、自分たちで備えておくことが必要であると言えます。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう