親子の老後編集部

介護保険の基礎知識(仕組みや介護保険施設と民間施設の違いなど)

健康・介護

2017.11.24

介護保険はいつ始まったんだっけ?、いつのまにか保険料として徴収されるようになったけど…と、なんとなくわかっているだけの介護保険。親御さんのことで、払う側でなく利用する側になったのをよい機会に少し知っておきましょう。

介護保険とは

1997年12月に「介護保険法」が制定され、2000年4月から施行され、介護保険制度が開始されました。

国民全員が40歳になった月から加入して保険料金を支払い、介護が必要な人が適切な介護サービスを受けられるという制度です。健康保険と同じく介護サービスも、少ない負担で受けられるというわけです。

関わるのは加入者・サービス事業者・市町村

介護保険の利用に関わるのは、まず加入者(被保険者)、次にサービス事業者、そして市町村(保険者)です。それぞれの関わり方を簡単にご説明します。

加入者(被保険者)

介護保険を利用するには、要介護認定を受けることがまず条件としてあります。要支援1・2もしくは要介護1~5の認定を受け、実際に利用できる保険料が決まります。
「まず認定を受けないと、介護保険が使えないよ」と言われるのは、保険者である市町村から利用できる保険料限度額を算出してもらわないといけないからですね。

>>「要介護度・要支援度の目安と決まり方、介護認定ごとの給付額」はこちら

サービス事業者

介護度や個々の事情によって希望するサービスは違いますが、大きく分けると「在宅サービス」「地域密着型サービス」「施設サービス」があります。

・在宅サービス
在宅サービスは主には2つあります。
①「訪問介護」:いわゆるホームヘルパーの訪問を受けることです。
②「通所介護」:いわゆるデイザービスを受けることです。

・地域密着型サービス
地域密着型サービスは主に3つあります。
①「定期巡回」:日中だけでなく夜間でも巡回可能です。
②「随時対応型訪問介護看護」:看護師が医師の指示のもと訪問し、体調管理などを行います。
③「認知症対応型共同生活介護」:いわゆるグループホームなどです。

・施設サービス
施設サービスは3種類あります。
①「介護療養型医療施設」:病院や診療所のうち介護の療養施設として申請し許可されたものです。厚生省では新たな認定は受け付けていませんので今後は減っていくでしょう。
②「介護老人保健施設」:こちらはリハビリを必要とする人を受け入れる施設です。医師とリハビリテーションの専門家、理学療法士、作業療法士などが配置されています。
③「特別養護老人ホーム」:独居老人も含め常に介護が必要な人が利用します。

これらのサービスを利用者の希望に応じて提供します。
利用者からは料金の1割を受け取り、市町村にサービス利用料を請求します。

市町村(保険者)

税金から50%、保険料から50%が財源となります。
サービス事業者からの請求を受け、その9割を支払います。

介護保険法の成り立ち

介護保険導入に至る社会状況

全人口に占める高齢化率は、1960年には5.7%、1980年には9.1%、1995年には14.5%、2000年には17.3%と年々増加する一方です。このような高齢化が進む中、介護を必要とする人たちは年々増加し、また介護期間も長期化する傾向となりました。介護ニーズは年々高まっているというわけです。

また家族形態から見てみると、核家族化はますます進み、世代の違う者が同居していない家庭が非常に増えました。老老介護、認認介護という言葉にも表れるように、介護する家族の高齢化も問題になっています。

このような社会状況があり、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組み(=介護保険)を創設することになりました。

介護保険の仕組み

保険料の支払いは40歳から

介護保険は、40歳を超えたときから支払いの義務が生じます。40歳になった時点で加入している医療保険料に介護保険料が加算されるので、自動的に徴収されるイメージです。これは64歳まで同じです。

65歳になると、市町村からの納入通知書が送られるか、年金からの天引きによって保険料を支払います。市町村によってまた所得に応じて保険料は5段階に設定されています。

介護サービスは高齢者の認知症だけではない

65歳以上であれば老化とは関係ない場合でも、介護が必要であれば介護サービスを受けられます。たとえば交通事故の後遺症などでも対象になります。

40歳から64歳の場合は、特定疾病に該当する場合のみ認定を受けて介護サービスを利用できます。

介護保険施設と民間運営の介護施設の違い

実際に介護施設でのサービスを受ける場合いろいろな種類があり迷いますが、大きく分けて公的施設である介護保険施設民間運営の介護施設とに分けられます。

公的施設の種類とメリット・デメリット

特別養護老人ホーム、介護老人施設、介護療養型施設に分けられます。
2017年時点でのそれぞれの施設数は下記の通りです。

施設数  定員
特別養護老人ホーム 7,631 538,900人
介護老人保健施設 4,222 352,300人
介護療養型医療施設 1,215 71,891人

メリットとしては、利用料金が安いということが一番に挙げられます。
特養であれば、利用者の財産状況によって自己負担額が変わりますから、人によってはかなり低料金だと感じる場合もあります。入居一時金が不要であることも大きな特徴です。

もうひとつのメリットは、介護度が高くても入居が可能ということが挙げられます。特に特養については、平成26年の介護保険法改正の中で中重度の要介護者を支える機能に重点を置くように定められました。

デメリットとしては、人気が高く、順番待ちといったことが全国どこの地域でもいわれています。申し込んだ順番ではなく介護の必要度が高い順から割り当てるという原則があり、特に同居の場合はますます入居難易度が高く感じられるようです。

また相部屋が多いこともデメリットとして挙げられます。希望に合わない、快適な生活ではないと考える人もいるでしょう。

民間運営の介護施設の種類とメリット・デメリット

有料老人ホームやグループホーム、サービスつき高齢者向け住宅などがあります。
2017年時点の全国での施設数は下記の通りです。  

施設数
介護付き有料老人ホーム 4,064
 グループホーム 11,678
サービス付き高齢者向け住宅 6,668

メリットとしては、施設規模や居宅の種類、サービスの程度などがさまざまなので選択肢が広く、よりぴったりするものを選べます。施設自体、またサービスの内容も公的なものより充実していることが多いようです。

特にグループホームは地域密着という特徴があり、自宅から近いところにあり周辺環境に大きな変化がなく過ごせるのが利点です。

デメリットとしては、料金が公的施設と比べ高めです。入居一時金も基本かかります。
また施設によっては介護度3までなど制限がある場合もあります。外部からの特別サービスを受けるときにはかなり割高になります。

まとめ

介護保険にまつわる基礎知識全般をご説明しましたが、いかがでしたか。
これらをざっとつかんでおき、あとは担当ケアマネージャーに相談するとよいでしょう。在宅のときには在宅の、施設に入れば施設付きのケアマネージャーがつき、介護計画を立ててくれますし、手続き等の相談にものってくれます。

介護サービスは介護される人のためだけでなく、介護者の立場からも利用してよいサービスです。高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みである介護保険制度を上手に利用してください。

>>「介護予防サービスとは何か?その目的、種類と選ぶポイント」はこちら
>>「介護サービスの種類と選ぶポイント、介護予防サービスとの違いは?」はこちら
>>「信頼できるケアマネジャーの選び方と上手に付き合うコツ」はこちら

この記事が気に入ったら
いいね!しよう