親子の老後編集部

親の老後は誰が面倒を見るべき?兄弟で揉めない為に気をつけたいこと

家族・友人

2017.10.8

親が元気なうちは考えたくないことかもしれませんが、親が高齢になって介護が必要になったとき、親の面倒は誰が見るべきなのでしょうか。
ここでは、いざ介護となったときに兄弟の間で揉めないためにはどうしたらよいのかについてご紹介します。

親の老後の面倒をみる義務は誰にあるのか

親の老後の面倒をみる義務は誰にあるのかについて、民法では次のように定めています。

民法877条
直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。

民法879条
扶養の程度又は方法について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、扶養権利者の需要、扶養義務者の資力その他一切の事情を考慮して、家庭裁判所が、これを定める。

つまり、親の老後の面倒を見る義務は、子供全員にあるということになります。
戦前のように「長男だから家を継いで親の面倒も見なければならない」というようなことはありません。

兄弟がいる場合、誰が面倒を見るのかという条件は、兄弟の順番や男女の差ではなく、親の面倒を見るだけの金銭的な余裕と家庭の状況が揃っているかどうかによって判断するというのが法律面での考え方です。

実際に介護をしているのは誰か

では、実際に介護をしているのは誰が多いのでしょうか。
厚生労働省の平成25年版「要介護者等とその続柄別にみた主な介護者の構成割合」によると、「要介護者等からみた主な介護者の続柄」は以下のようになっています。

同居の配偶者 26.2%
同居している子 21.8%
同居している子の配偶者 11.2%
別居の家族等 9.6%
事業者 14.8%

(参考:http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2016/html/zenbun/s1_2_3.html

親の配偶者が介護できない場合、介護が必要になった場合は子供が同居して介護することが多いと言えます。
また、介護をしている人の性別については、女性が68.7%、男性が31.3%となっています。子供が介護を担っているときは、娘や息子の妻が介護をしている場合が多いということがうかがえます。

親の住まいをどうする?

親の面倒を子供が見る場合、住まいをどうするかということも大きな問題になります。
親がまだ元気な間から考えると、次のような選択肢があります。

1.同じ家に住む。
2.二世帯住宅に住む。
3.親の家の近くに住む。
4.老人施設に入る。

それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。

1.親と同じ家に住む場合

親と完全に同居している場合、親が元気なうちは、家事を分担してもらえたり、孫の面倒を見てもらえるというメリットがあります。
また、親の年金を子供の収入にプラスできるので、別々に暮らすよりは経済的には有利になります。

さらに、親が病気になったり、弱ってきたりしたときにも、その変化に気づいていち早く対応することができるでしょう。高齢の親にとっては一番安心できるパターンであると言えます。

しかし、介護が必要になったときには同居している子供の家族が介護を一手に担うことになります。毎日の介護に加えて、金銭的な負担も大きくなるでしょう。
離れて暮らしていて何も負担していない兄弟に対してストレスを感じることがあるかもしれません。

また、親が弱ってきたという理由で子供の家に親を呼び寄せた場合、親のほうが慣れない土地でストレスをためることがあります。それまで長い時間をすごした家や、仲のよい友達やご近所さんと離れて新しい環境に入るのは、高齢の親にとっては大変なことです。

子供の配偶者や孫とも、たまに会っている間は問題はなくとも、いざ一緒に暮らすとなるといろいろと不都合なことが出てくるかもしれません。介護が必要になってくるとなおさらです。
親と同居するときには、金銭的なことや介護のことについてよく話し合って準備しておくことが必要です。

2.二世帯住宅に住む場合

二世帯住宅は、完全な同居のデメリットを軽減した住居であると言えます。普段はお互いの生活のリズムや生活スペースを乱さずに、ほどよい距離感を保つことができます。
そして、いざ親に問題が起きた場合にはすぐに対応することが可能です。
お互いのプライバシーも確保しながら、高齢の親にとっては安心感も得ることができます。

デメリットとしては、二世帯住宅を建てるにはお金がかかるということが挙げられます。金銭的な負担をどうするか、親とよく話し合っておく必要があります。

また、介護が必要となった場合には、完全同居の場合と同様に、二世帯住宅に住んでいる子供の家族が介護を一手に引き受けることとなります。
離れて住んでいる兄弟との間で揉め事にならないよう、金銭的なことも含めて話し合っておきましょう。

3.近くに住む

「スープの冷めない距離」と言いますが、親の家の近くに住むこともほどよい距離感を保ちつついざというときの安心感も得ることのできる方法です。

二世帯住宅と比べると、子供の配偶者と親との接点が少ないこともメリットとなります。二世帯住宅ですと、親と自分の配偶者とのソリが合わない場合、お互いに嫌な思いをすることになります。しかし、別々の家に住んでいれば、親と自分の配偶者の間に入って気を遣うことが少なくなります。

デメリットとしては、介護のためにいちいち通うのが負担となることが挙げられます。同居している場合に比べると、きめ細やかなケアをするのが難しいかもしれません。

4.老人施設に入る

子供が働いていたり、遠方に住んでいて介護をするのが難しい場合は、親が老人施設に入るというのも選択肢になります。
老人施設に入れば、親の介護度に応じて必要なケアを受けることができ、子供の側も安心感を得ることができます。

しかし、親にしてみれば慣れ親しんだ家を離れる寂しさもありますし、金銭的な負担も大きくなります。
老人施設に入ることを考える際には、親と一緒に施設を見学して親の納得する施設を選ぶようにしましょう。また、金銭的なことについては、兄弟の間でも話し合って不公平感が生まれないように配慮しましょう。

兄弟の間で揉めないための5ヵ条

1.親が元気なときから話し合って準備しておく
親が元気なうちは、親の介護の話などはつい後回しにしてしまいがちです。
しかし、いざ親に介護が必要となってからいろいろなことを決めようとしてもスムーズに事が進む事は難しいでしょう。

日ごろから、親の健康状態や介護について、兄弟の間でざっくばらんに話せる雰囲気を作っておきましょう。ただ自分の都合や希望を主張するよりも、自分の希望を伝えつつ、兄弟の希望も聞いて擦り合わせていくようにしましょう。

2.親の年金や貯金額について把握しておく
親の面倒を見て、介護をするにはお金がかかります。
ただ、親の年金や貯金が十分にあれば、子供の側も金銭的な負担はしなくてすみます。
反対に、年金や貯金額が不十分だと、子供は介護に加えて金銭的な面もケアしなくてはなりません。

お金の話はなかなか切り出しにくいものですが、年金生活にまつわる雑誌の記事やテレビなどをきっかけにして、親の生活の経済的なことについて確認するといいでしょう。

3.介護の状況を兄弟の間で共有する
介護の状況についてはできるだけ兄弟の間で情報を共有するようにしましょう。
今は情報ツールが発達しています。LINEでグループを作って日々の状況を共有したり、介護の費用面についてグーグルドライブでエクセルを使って管理していくようにしたりしてもいいでしょう。

介護の状況がわかると、主介護者が忙しいときに代わりに面倒を見たり、金銭的な援助をするといったことを提案しやすくなります。

4.介護ができない兄弟は金銭的な援助を考える
介護は主介護者の負担がどうしても大きくなってしまします。
しかし、他の兄弟が手も動かさない、連絡もしない、お金も出さない、という姿勢では、兄弟の間もぎくしゃくしてしまいます。

親の介護で大変なうえに、兄弟の間で諍いが起こるのを避けるためにも、介護をしない兄弟は金銭面で負担をすることを考えましょう。
兄弟で分担して介護貯金をするのもいいかもしれません。
あるいは、財産分与の際に、介護をした兄弟の取り分を大きくするように決めておくのもいいでしょう。

5.外部の介護サービスを利用する
介護には先が見えない大変さがあります。主介護者の負担を少しでも減らすために、デイサービスやショートステイのような外部の介護サービスを上手に利用して、介護を抱え込まないようにしましょう。

家族だけで介護をするのではなく、ケアマネジャーや介護ヘルパーのようなプロの手を借りることは、親や兄弟の安心感にもつながります。

親も兄弟も納得できる介護をしよう

介護は金銭的な問題もあり、肉体的にも精神的にも負担の大きいものです。兄弟の間でしっかり話し合って、スムーズに介護ができるようにしましょう。
兄弟が協力し合っている姿を見せることが、親にとっても何よりの安心になるでしょう。

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