親子の老後編集部

高齢者の転倒を防ぐバリアフリーのリフォーム事例と費用5選

暮らし

2018.9.18

「バリアフリー?あ~家の中の段差をなくすこと?」確かにこれも正解ですが、これだけではありません。

バリアフリーとは、高齢者についていえば、段差などの邪魔になるもの(物理的障壁)をなくすことと共に、電化製品が使いにくくて困っている、トイレやお風呂など自分ひとりでしたいけど不安といった気持ち的にしんどいこと(精神的障壁)を軽減することです。

今回は、段差など目に見えやすい形で邪魔になるものに対するリフォーム、特に転倒を防ぐためのリフォームとその費用についてご説明します。

転倒事故を減らすためのバリアフリー

年をとってからの転倒は怖いです。骨折すれば寝たきりになり、頭を打てば脳に血種ができる原因になります。転倒を招く可能性のある段差をなくすこと、転倒しても最小に食い止めることをまず考えたいですね。

費用については、当然広さや材料の選択によって変わってきますので、おおよその目安を挙げておきます。いろいろな箇所を一度にするとかなりの金額になりますが、介護保険制度の利用で1割負担になります。

1.敷居の段差をなくす、引き戸にする

ほんの数センチの段差でも足が上がらなくなっているので、つまずきの原因になります。毎日通るところだけにまずはここからチェックします。段差となる敷居があれば取り除き、将来、家の中で車椅子が使えるようにします。

そのために敷居は段差がなくなる埋め込み式にします。と同時に、開き戸であれば、バリアフリーのためのリフォームを機に引き戸にすることをおすすめします。開き戸を開け閉めすることは体の前後移動が伴いますし、風で思いのほか勢いよく開いたり閉まったりすることがあり危険だからです。

敷居の撤去費用

幅180センチ分の撤去費用、敷居の材料、取り付け工事費用、扉の補修費などを含めて2~3万円が目安になります。扉の補修費というのは敷居が埋め込まれ低くなった分、扉に当て木をし長くする、戸車を調整するなどの費用です。

扉に当て木をして使わず、新しくオーダーする場合は1枚3万円ほどが目安になります。全面ガラスにすると5万円ほどです。最近では安全面を考え、ガラスでなくアクリル素材も出ています。

ドアから引き戸にする費用

片引き戸であれば10万円ほどでできますが、出入り口を広げるために壁の解体工事もすると10~30万円ほどになります。

2.和室の床下げをする

埋め込み式の敷居にしたら今度は畳との間に段差ができます。そのときには畳の下にある板から下げるリフォームを行います。大がかりな工事になりますが、長年住んでいる家の場合は湿気のせいで木そのものが傷んで黒ずんでいることもよくあります。そのあたりを点検し、安全のためにも床下げの工事を検討してもよいでしょう。

和室の床下げをする費用

6畳の和室を数センチ下げる場合、約25万円が目安になります。

3.玄関の段差を踏み台で調整する

玄関は踏み台で対応します。通販で置くだけの踏み台が売られていますが、安定性や見栄えを考えてオーダーメードする人もいます。

一般的には踏み台一段で十分ですが、特に低めではない玄関の場合は初めから二段の階段状にするのもよいでしょう。というのは、リフォームを考えたそのときの状況では一段で済むと思っても、さらに足が上がらなくなることや、下りるときに思った以上に段差を感じるように変わっていくからです。

また、玄関なら手すりで十分では?と思われがちですが、玄関の広さによっては手すりが新たな障害物になる場合もあるので注意が必要です。

玄関に踏み台をオーダーする費用

2~3万円が目安になりますが、収納式など凝ったつくりのものであれば5~6万円になります。

4.家の外での段差をスロープにする

室内から庭へ出るときや家の敷地から道路に出るときの段差もなくしておくことが必要です。場所的にはスロープをつけるのが一番よいですが、外での転倒は室内よりも大ごとになりやすいので、さらに手すりをつけるとよいでしょう。

他にも庭をもう一度見渡して、ちょっとした段差がないかもチェックしましょう。たとえばコンクリ―トの部分から土の部分になるところの段差、庭のそのものの凹凸をなくしておくこと、自然な風情ある踏み石はあきらめて平らな石材のアプローチにすることなどです。

外にスロープをつける費用

歩行用であれば短く済み、車いす用であれば長くなります。幅1メートル、長さ5メートルの歩行用スロープであれば10万円ほど、車いす用に勾配をゆるく長くすれば30万円ほどです。

5.床材を替える

転倒を防ぐために床材そのものを滑りにくいものにすること、滑りにくさだけでなく、万が一転倒したときの衝撃を和らげるために材質を替えることもひとつのバリアフリーです。

寝室もリビングもそして玄関もすべてカーペット敷にする場合もあります。カーペットと床との1センチに満たない段差もときに危険ですから、部分ではなく全面カーペットです。ただカーペットは台所など水がかかるようなところには使いにくいですね。そういった場所にも使えるものとしてコルク床も人気があります。

床材をカーペットのする費用

広さともともとある下地によってかかる費用が変わってきます。もちろんカーペットの素材にもよります。見積もりは必ず複数の業者からとりましょう。

床材をコルク材にする費用

6帖の部屋をコルク材にした場合の目安は10~15万円程度です。

まとめ

高齢者が移動するときにバリア(障壁)になるものを取り除く、交換するリフォーム例を5つご紹介しました。いずれも少し大がかりではありますが、介護保険制度を利用すれば1割負担ですので安心ですね。

いずれにせよ、高齢になると新しい変化になじむのに時間がかかりますから慣れていく時間も必要なので、早めに対応されることをおすすめします。

安全のためにリフォームしたのにその変化に慣れずに使わないでいたら残念ですし、変化になかなか慣れずリフォームによって今までの動きと変わったことで、かえって事故になってしまっては本末転倒ですから。

リフォームしたのにあまり使わないまま施設に行くことになってしまったということも耳にします。せっかくリフォームするのであれば、十分に活用したいものですね。

早めにリフォームし、自立して安全に生活できる状況を整えておくと、元気で張り合いを持って生活できる期間が長くなります。まだ大丈夫という時期からどうぞ進めておいてください。

>>「老後の住まいはリフォームか住み替えか?そのメリットとデメリット」記事はこちら

>>「高齢者が転倒しやすい原因と転倒を防ぐための対策」記事はこちら

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