親子の老後編集部

老老介護、認認介護とは?その問題点と解決策、そして予防するには?

健康・介護

2017.10.20

「ろうろう」「にんにん」この2つの音はわかる人にはわかる、特に高齢者にはなじみ深い言葉です。漢字で書けば「老老」と「認認」。首をかしげていた人もここまでくれば、あ~とうなずかれることでしょう。

「老老介護」と「認認介護」を改めてご説明するとともに、問題点や解決策、その予防についてお伝えします。

老老介護とは?

高齢者の介護を高齢者がすること。

このときの年齢の目安は65歳で、65歳以上の高齢の夫婦や親子、兄弟姉妹のそれぞれが介護する人、される人になることをいいます。核家族が増え、また超高齢化社会となりつつある日本では、老老介護の状況は増えてきています。

厚生省のデータを参考までに挙げておきましょう。
参考:http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa13/dl/16.pdf

65歳以上の高齢者がいる世帯の状況は、昭和61年には夫婦のみの世帯が22%、子と同居の世帯は64.3%でしたが、平成25年には夫婦のみの世帯は38.5%に増え、子と同居は40.0%にまで減っています。

つまり約30年前と比べると、夫婦のみの世帯が22%から38.5%に増え、同居の世帯が64.3%から40.0%に減っています。この数字は戻ることなく年々進んできている結果です。
今後もこの核家族化傾向は進んでいくものと思われます。

老老介護と定義される介護する人とされる人が共に65歳以上の割合は、平成13年には40.6%、平成25年には51.2%です。その中で共に75歳以上の割合は、平成13年の18.7%から平成25年には29.0%に上がりました。

これらもまた年々進んできている結果の数字で、65歳以上の老老介護に該当するケースは51.2%と半数以上の割合になっているのです。

最新の数字では、平成28年において、老老介護は54.7%に達し、共に75歳以上である老老介護は30%を超えたと発表されました。

認認介護とは?

認認介護は、年齢ではなく状態からいわれる言葉で、介護する人もされる人も認知症である場合をいいます。初めはどちらも認知症ではなかった高齢者が、どちらかが認知症になり、もう一方も認知症になった結果というケースがほとんどではないでしょうか。

80歳頃の認知症出現率は20%といわれ、そこから計算していくと、共に80歳代の夫婦の8%が認認介護と算出されます。11組に1組は認認介護になるということです。核家族の傾向にあって、認認介護は老老介護の末でにあり得る形です。

老老介護の問題点

介護する人も高齢であれば、自分自身を健康に保つこともひとつの仕事といえます。
しかし自分自身を気遣うこともせず、介護中心の生活になる毎日は、体力的にかなりの負担がかかってきます。

介護される人の介護度にもよりますが、たとえば夜中に何度もトイレに起きるのを見守る、昼夜逆転に付き合うといったことが起こると、慢性睡眠不足になります。

介護度がまだ高くない場合でも夜になると何かと大変という話を聞きますから、自分自身も休みたい時間に休めないということになります。実際に排泄介助や食事介助が必要であれば、身体への負担はさらに増します。

こうした日々が長く続くと精神的にもまいってしまい、ストレスが高じて虐待行為につながることも少なくありません。一方が元気であれば十分世話もできるし問題ないということではないのです。

しかし、実際には「まだまだできる」「他人を家に入れたくない」などの理由でひとり頑張ってしまい、いわゆる「共倒れ」になることもよくあることです。

認認介護の問題点

認認介護の場合は、介護する側もされる側も認知症なので、記憶があいまいで、判断力や認識力が低下しています。食事や排せつなど毎日のことがきちんとできているかの認識が不確かです。

高齢者にとって水分をきちんととることは脱水症予防に大切ですし、きちんと食事をしてこそ元気でいられるのですが、その基本が正しく繰り返されることが、難しくなってくるのです。

中でも一番心配されるのは、火の不始末や鍵の施錠などの問題です。それ以外にも、電気やガスの支払いが滞る、高齢者世帯を狙っての詐欺などに巻き込まれるなど、社会生活上の問題や事件が起こることもありえます。

また、認認介護かどうかは、共に要介護認定がされてこそ初めてわかりますから、実際は認認介護であっても、老老介護のままということもあることです。適切な介護サービスを受けないまま、気がつくと上記のような問題になることもあるのです。

老老介護、認認介護の解決策

早めに小出しに頼っておく

まだまだ大丈夫、自分たちで何とかできると考えがちですが、不安を感じることが増えたら早め早めに状況を伝えておくのがよいです。特に、子供はいつまでも親は元気でしっかりしていると思いがちなので、少し早めに声をかけておくくらいがよいでしょう。

子供側にも子供側の生活があるので、何か起こったときにすぐに対応していくのは難しいものです。だからこそ早めに、少しずつ頼っておくことも無理なく進んでいけるよい方法かと考えます。

ひとりで抱え込まない

頼る先は子供や兄弟姉妹だけではありません。近所も頼りになる存在となります。
徘徊などが起こった場合は、遠くに住む子供よりも近所の方々にお世話になることが多いのです。

認知症になることはいまやだれにもあり得ることで、隠して自分ひとりでどうにかするものではないと考えることをおすすめします。
共倒れ、気がついたら大きな問題になっていた、これが一番怖いことです。

介護する人の心の健康のためにも状況をオープンにしておく、これも非常に大切なことです。介護はだれもが初めて向かう問題なので、まわりに頼りながら進む姿勢が長続きのためにも不可欠でしょう。

介護サービスについて調べておく

地域包括センターやケアマネジャーに相談しながら、どんな介護サービスがあるか知っておくことが大切です。知っておくだけでも安心でき、心穏やかでいられますから。そのうえで必要なときにはまた相談し、事情にあった介護サービスを選び利用していきます。

ヘルパーさんに来てもらう、日帰りで施設を利用する、通いと日帰りと宿泊を組み合わせて利用するなど、完全に施設にお願いする前に利用できるサービスの形は様々あります。送迎可能な形もありますし、夜間に巡回を頼むサービスもあります。

特にお伝えしたいのは、介護サービスは介護を受ける人のためだけでなく、介護する人の負担軽減のためにもあるということです。リフレッシュのためにしばらく完全に介護から離れたい。これは決して悪いことではなく、そういう理由での利用もできるのです。

老老介護、認認介護の予防のために

要支援から要介護へ、そして介護度が高くなっていくということをなるべく遅らせるためには、早め早めに予防的に何かをすることが重要です。

たとえば、運動を定期的にする癖をつけること、趣味を持ち多くの人と話をするような機会を作っておくことなどです。身体的にしんどくなってから、気持ち的に億劫になってからしようとしても、それは自分自身にとっても負担になるでしょう。

夫婦や兄弟姉妹の範囲だけでやっていけない可能性も考え、それ以上に付き合いの輪を広げることが大切です。どんなに相手を思う気持ちがあっても、介護者が若くない場合、負担があまりに大きすぎるのです。自分が認知症になる可能性もないとはいえないのです。

まとめ

老老介護や認認介護にならないようにする、始まりを遅くするためには、予防のためにするとよいことを早め早めにしておく!生き生きした生活を長く続けている方は、突然そうなったのではなく、まだまだ身体も気持ちも元気なうちから準備していたのです。

自分の状況をそのままオープンに、そして早めにまわりに伝えておくことも大切です。
老いや介護は、自分自身で病院などに通い対策を立てていく病気とは違い、残念ながら自分自身だけでは解決できない部分がどうしてもあるのですから。

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